ABNORMAL CONDITION 検診異常
symptoms 1 便潜血陽性
便潜血検査は便に血液が混じっているかどうかを調べる検査で、目に見えない微量な血液も検出できます。原因として最も怖いのが大腸がんです。よく痔からの出血だろうから大丈夫だと思って検査を敬遠される方がいますが、検査をしてみないとその原因はわかりません。必ず大腸カメラを受けましょう。また、検査は2日法で、2回中「1回だけ陽性」の方も大腸カメラが必要です。
ワンポイント
陽性の方に大腸内視鏡検査を行うと、50%の方にポリープ、6%の方に早期癌、4%の方に進行癌が見つかるとの報告があります。便潜血陽性になった方の約6割が内視鏡を行うことで治療すべき病変が見つかっています。
可能性のある病気
その他、感染性腸炎、虚血性腸炎、大腸憩室症などが考えられます。
symptoms 2 肝臓の数値が高い・脂肪肝
脂肪肝では、AST(GOT: 肝細胞が壊れると上昇する酵素)、ALT(GPT: 肝細胞の壊死・破壊によって増える酵素)の値が50~100前後に上昇し、γGTP(肝炎の指標、飲酒や薬で変動しやすい)が高くなることがあります。また、肝臓の数値が高い場合には、脂肪肝以外に、肝炎、肝臓がんや自己免疫疾患が隠れていないか原因を調べる必要があります。
ワンポイント
肝臓は、障害を受けると炎症が起こることで肝細胞が壊されていく「肝炎」となり、それが続くことで線維化が起こり肝臓が硬くなる「肝硬変」、肝細胞の炎症・再生を繰り返す過程で遺伝子の突然変異が起こるとされる「肝がん」へと進行していきます。
可能性のある病気
その他、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎(サプリなど)などが考えられます。
symptoms 3 血圧・血糖・コレステロールが高い
生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。日本人の死因の上位を占める、がんや心臓病、脳卒中は、生活習慣病に含まれます。また、近年では、排尿障害、骨粗鬆症や認知症なども生活習慣病の一環として考えられ、それらが相互に関っているとされています。
ワンポイント
生活習慣病の初期の段階では特に自覚症状はありません。しかし、1つ1つの生活習慣病は独立しているわけではなく、1つの疾患として生活習慣病を考える必要があります。例えると「1つの大きな氷山から複数の山が突き出ている状態」です。個々の病気の治療を行っても「氷山の一角を削る」だけで、病気の根本となる氷山の大きさはそのままです。放置すると次第に「氷山が大きく」なっていき、病気が重症化したり、重大な合併症を引き起こしたりする危険があります。予防・改善には、生活習慣を見直すことにより、「氷山全体を小さくする」必要があります。
可能性のある病気
その他、心臓病、脳卒中、肺がん、痛風、排尿障害、骨粗鬆症、認知症などが考えられます。
symptoms 4 腫瘍マーカーが高い
がんの診断の補助や、診断後の経過や治療の効果をみることを目的に行います。がんの種類によって特徴的に作られるタンパク質などの物質を測定します。
ワンポイント
がんの有無や場所は、腫瘍マーカーの値だけでは確定できないため、画像検査など、その他の検査結果も合わせて、総合的に判断します。
可能性のある病気
その他、喫煙、飲酒、肝機能障害、腎機能障害、甲状腺がん、膀胱がん、前立腺がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がんなどが考えられます。