食道がんとは

食道がんは頸部・胸部・腹部食道に発生するがんです。約50%が胸部食道の中央付近から発生し、約25%が食道の下部に発生します。食道がんでは喫煙と飲酒が危険因子とされています。お酒を毎日飲む人は飲まない人と比べ約2倍の危険性があり、2合以上飲む人は約5倍の危険性があると言われています。また、日本人の約40%の方が、アセトアルデヒトを分解する酵素が少ないです。このため、お酒で顔が赤くなりやすく、発がんの危険性が高いとされています。さらに喫煙者は非喫煙者に比べ約3倍以上の発がんの危険性があり、喫煙本数が多く喫煙期間が長いほどさらに危険性が増します。その他にも、熱い飲食物がリスクを上昇させるという結果も報告されています。

日本人の食道がんの90%以上は扁平上皮癌ですが、欧米人では腺癌が60~70%を占め、特に白人男性において増加傾向にあります。腺癌には胃酸の逆流や肥満によるバレット食道が関与しているとされています。生活の欧米化した日本でも今後増加すると予測されています。

食道は胃や大腸と同じ消化管ですが、周囲にリンパ管が多く張り巡らされています。このため、比較的小さながんであっても、頸部・胸部・腹部にリンパ節転移を起こしやすい臓器であり、「たちの悪いがん」と言えます。ほんのわずかながん(粘膜筋板に浸潤するようなもの)でも5%から10%のリンパ節転移、他の胃がんや大腸がんでは早期と言えるような小さながん(粘膜下層浅層/深層)でも10%前後/30%前後のリンパ節転移を認めます。

進行に伴ってがんの根が深くなると、気管や心臓、大動脈に浸潤したり、胸腔内にちらばったり、リンパ節や肝臓・肺などに転移します。そのため、多彩な症状を来たし生活に大きな影響が出ることが多いです。

食道がんを早期に発見するためには胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を受ける必要があります。食道がんの罹患率は40歳代後半から上昇し、特に男性は女性と比べて急激に上昇します(女性の約5倍)。早期発見するためには検診を定期的に受診することが大切です。とくに喫煙と飲酒をする50歳以上の男性は定期検診をお勧めします。

食道がん

食道がんの症状

早期にはほとんど症状が出ません。
以下の症状が当てはまる方は早めに食道がん検査を受けましょう。

  • 飲み物が胸にしみる
  • 食べ物がつかえる
  • 体重減少
  • 胸部・背部痛
  • 声のかすれ
  • 血痰・息苦しさ

食道がんの検査方法

胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査) 内視鏡を口や鼻から挿入して、食道から胃、十二指腸を調べます。粘膜の表面だけを可視化する波長を選別して光を当てることで観察します(BLI、NBI検査)。細い血管や表面の構造を詳しく観察することができ、表面にある腫瘍が非常に見えやすくなります。がんが疑われる病変があった場合、生検を行い診断します。詳細は胃カメラ検査の項目をご参照ください。
バリウム検査(X線造影検査) バリウム溶液を飲んで、食道を通過するタイミングに撮影し、粘膜の様子を観察します。がんが粘膜にあると、微細な凹凸の変化や形態学的に異常な変化を影として見つけ出すことが出来ます。また、狭窄の有無や腫瘍の位置などもわかります。
腫瘍マーカー 血液中のSCC、CEAを測定します。がんの有無やがんがある場所は、腫瘍マーカーの値だけでは確定できないため、画像検査など、その他の検査の結果も合わせて判断します。

食道がんの治療方法

がんの切除が可能な場合は胃カメラによる切除(内視鏡治療)か外科的手術になります。内視鏡治療の適応は原則として粘膜内にとどまる根の浅いがんです。放射線療法が有効なこともあります。進行すると、外科的手術、抗がん剤、放射線療法を組み合わせた治療が必要になります。外科的手術は、頸部・胸部・腹部にわたる大がかりな手術になり、肺炎、嚥下障害や嗄声など重篤な合併症を引き起こすことがあります。一方で、抗がん剤や放射線療法にも副作用はあり、個々の病状に合わせた治療を行うことが大切です。食道がんが発見された場合には、当院では病状と患者さんの背景に合わせ、がんセンターや大学病院をはじめ、適切な施設にご紹介いたします。

食道がんの対策・対処法

発症リスクが高くなる40歳を過ぎたら、症状がなくとも一度は胃カメラ検査をすることをお勧めいたします。できるだけ早くがんを発見するため、胸がしみたり、胸がつかえるなどの症状があるときは、早めに当院にご相談ください。
がん全般の予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、適正な体形の維持が有効であるとされています。また、運動や野菜・果物の摂取は食道がんの予防に効果的であるとされています。

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